金利 17.75%の真実

金利 ってマジックだと思いませんか?金利が高ければ高いほど儲かりそうな気がします。

でも、対象になるもの次第では、金利が高くても運用マイナスということもあるのです。理由の一つは為替レートです。

新興国トルコの政策金利は17.75%

日本のように超低金利(政策金利は0.1%)を採用する国もあれば、新興国トルコのように政策金利が17.75%(2018年6月10日現在)という国も存在します。

トルコ政策金利

もしあなたなら、使うあての無い300万円がもし手元にあったとしたら、超低金利の日本と、高い金利の新興国トルコ、どちらへ投資しますか?

数字だけを見ると、300万円を投資すれば、年間53万円(300万円×0.1775)以上の利息が発生するトルコへ投資したいという方が多いのではないでしょうか!?

これが1,000万円なら、177万円以上、1億円なら、1,777万円以上です。こんなおいしい投資先はありません。

しかし、現在、信じられないぐらいのトルコの高金利に魅了され、多くの投資家がトルコ資産を抱えて損失を被っています。

金利17.75%もあるトルコで損失を被るってどういうことなのでしょうか?

金利 とは?

一般的に金利とは、貸金・預金に対する利子、利息と説明されることが多いと思います。

例えば、300万円を保有するAさんがいるとします。一方、300万円を必要とするBさんが、Aさんから300万円を借りれば、その対価を支払います。これが金利です。

現在の日本はゼロを通り越して、マイナス金利が続いていますが、私たちの預金金利や借り入れ金利がマイナスということではありません。

マイナス金利とは、民間の金融機関が中央銀行(日本では日銀)に預けている預金金利をマイナスにするということです。

日銀(日本銀行)によるマイナス金利の説明

日本銀行からの引用です。

「日銀がマイナス金利にしたって本当?」

「日銀は、3年前から大規模な金融緩和をやってきました。『量的・質的金融緩和』とか『異次元緩和』と呼ばれています。これをもっと強力にするため、1月にマイナス金利もはじめました。」

「マイナス金利になると、私が銀行に預金しているお金も減ってしまうの?」

「マイナス金利といっても、銀行が日銀に預けているお金の一部をマイナスにするだけ。個人の預金は別の話です。」

「個人の預金金利はマイナスにはならない?」

「ヨーロッパでは日銀よりも大きなマイナス金利にしていますが、個人預金の金利はマイナスにはなっていません。」

「マイナスにはならなくても少しは下がるでしょう?」

「普通預金金利は0.02%だったのが、0.001%になりました。」

「それで消費が悪くなったりしない?」

「100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということです。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね。」

「もともと200円しかもらえなかったんだ。それがひどいんじゃない?」

「そのとおりですね。100万円預けた時の利息が1000円未満になったのは1999年。もう15年以上、預金金利はとても低くなっています。でもそれは『デフレ』だったからで・・・」

「デフレって何?」

「物価が毎年のように下がることです。日本は15年間もデフレでした。」

「物価が下がって何が悪いの?」

「デフレで物価が上がらないということは、会社の売上げも増えないので、給料も上がりませんでした。日銀が『異次元緩和』をやってきたこの3年間で、会社はかなり儲かるようになって、春のベースアップ(給料アップ)も復活しました。デフレでなくなれば、給料も毎年上がるようになります。」

「デフレだと金利も低くなるの?」

「デフレや不況のときに金利を上げてしまうと、もっと景気が悪くなって、給料や物価はもっと下がってしまいます。日本ではデフレの間も失業者が大量にでることはありませんでした。何とかやってこれたのは、金利を低くしていたからです。」

「金利を上げた方がみんな利息でお金を使うのに・・・」

「みなさんの家の収入の大部分は給料ですよね。金利を上げて利息収入を増やしても、それで景気が悪くなって、給料が下がったり、職を失っては何もなりません。」

「じゃあどうしたらいいの?」

「デフレから完全に抜け出すしかありません。そのために、今はがまんして金利を低くして、もっと景気を良くして、物価をもう少しだけ上げていくということです。」

「でも異次元の緩和とかマイナス金利までしなくても・・・」

「15年もデフレが続いたので、みんなそれが当たり前になってしまいました。それを変えるには、思い切った手を使わないとだめです。」

「マイナス金利ってそんなに効果あるの?」

「マイナス金利にしたあと、住宅ローンの金利は下がって、10年固定で借りても1%以下になっています。銀行のローンセンターは大忙しだそうです。会社が借りるときの金利も下がっています。みなさんが家を建てようとしたり、会社が工場やお店を建てたりするときは有利になります。」

「そうすると銀行が損しない?大丈夫?」

「たしかに銀行にとっては、預金金利はマイナスにならないのに、貸出金利は下がるので、その分儲けは少なくなります。」

「でも大丈夫です。日本の金融機関は、リーマンショックでも傷ついていないし、とても健全です。去年もたくさん収益を上げています。日銀の預金でもマイナス金利にするのは一部だけにして、あまり銀行が困らないようにしました。」

「本当にそれでデフレから抜け出せるの?」

「みなさん忘れているかもしれませんが、3年前まで物価はマイナスでした。今は、ガソリンのように世界中で下がっているものを除くと、物価は1%以上上がっています。『もうデフレには戻らない』というところまで、あと少しです。この3年間、『異次元緩和』は、たしかに効きました。それをもっと強力にするということです。かならずデフレから抜け出せます。」

「もう1%も物価が上がっているなら、十分でしょう。」

「景気はいい時も悪い時もあるから、ある程度バッファーがないとすぐにデフレになってしまいます。飛行機だって地上ぎりぎりは飛べないでしょう。だから、日本銀行は2%の緩やかな物価上昇を目指しています。この2%というのは、アメリカもヨーロッパも同じで、世界共通です。」

「デフレを脱却すれば預金の利息も増える?」

「デフレから完全に抜け出せば、景気も良くなって、日本経済はもっと元気になります。そうすれば、預金金利も上がります。銀行にとっても、貸出金利を上げても大丈夫になります。これはみんなのためなのです。」

「話を聞くとわかったような気もするけれど、『マイナス金利』と聞いて不安になってしまったんだよね。」

「『マイナス』という言葉の響きも悪かったかもしれません。それと、今、世界中で金融市場が不安定になっていて、『ニューヨークで株価が下がった』とか『中国から資金が逃げてる』とか、心配なニュースが多い。このイメージと重なったのもあるでしょう。」

「でも、日本の会社は、全体でみると、史上最高の収益になっていて、経済は良い方向に向かっています。それに、この政策はとても強力です。いずれ『プラス』の効果がはっきり出てきて、明るくなってくると思います。」

マイナス金利に突入したことにより、銀行に100万円を預けて1年間の利息が200円だったものが、10円になってしまいました。コンビニのATMでお金を下ろしてしまうと、お金がドンドン減る時代です。

こんな日本を尻目に、トルコの金利は急騰しています。金利が上がっているのに、なぜ多くの投資家がトルコ資産で損失を抱えているのでしょうか。

トルコ政策金利17.75%

2018年6月10日の日経新聞電子版から引用

【NQNロンドン=椎名遥香】トルコ中央銀行は7日開いた金融政策委員会で、政策金利である1週間物レポ金利を16.50%から17.75%に引き上げることを決めたと発表した。前年比の物価上昇率は10%を上回る高水準が続いており、利上げでインフレ抑制をねらう。

年率15.25%のトルコリラ建利付債がどうなったら儲かり、損する?

HS証券が販売する「トルコ建利付債」の年率は15.25%(税引き)です。

年率15.25%

この商品の下記「購入・利払・償還シミュレーション」を見ると、非常に儲かりそうです。

トルコリラ建利付債

490万円を投下すれば、約2年後には580万円程度、1,225万円を投下すれば、1,451万円程度が戻ってきます。これが確実に戻ってくるのであれば、こんな楽チンな資産運用はありません。

500万円を年利0.1%で2年間運用すると、1万円しか増えないことを考えると、トルコ債は滅茶苦茶魅力的です。

年率0.1%で2年間500万円を運用すると

このトルコリラ建利付債に限らず、トルコ絡みの金融商品はどれも高い利率になっていますので、為替レートが同水準で推移していれば、利率通りの運用益が期待できます。

しかし、美しいものにはトゲがあるように、高い金利の投資商品にはリスクが伴います。実は最近、為替レートの「トルコリラ」が大暴落しているのです。

トルコリラレートの推移

<米ドル・トルコリラ為替推移>

上に上がれば、米ドルが強く、トルコリラが弱いという意味になります。

現在はトルコリラが対米ドルで下落中です。

<トルコリラ・円の為替推移>

下に行くほど、トルコリラが売られ、円が買われるという意味になります。

トルコリラは対円でも下落しています。2015年に50円だったトルコリラ円が半分以下になっています。120円だったドル円が60円以下になっているイメージです。

為替が与える運用損益の具体的な影響は?

年率15.25%のトルコリラ建利付債を20万トルコリラ分(約510万円)、25円台で購入し、2年後、24円台で払い戻しがあると、約600万円になって戻ってきます。

年率15.25%のトルコリラ建利付債

しかし、トルコリラ円が4円以上下落すると、運用パフォーマンスは一気にマイナス圏へ突入。

トルコリラ円が20円割れの場合の運用パフォーマンス

そして、トルコリラ円が10円になると、投下した資金の半分の損失を被ることになります。

トルコリラ円が10円の場合の運用パフォーマンス

このように、いくら金利が高くても、為替レートが下落すれば、約束された利率は簡単に吹き飛びます。2015年50円台だったトルコリラ円は、2018円6月10日現在、25円台を下回っています。

だから、年率15%以上あっても、運用損を抱えてしまうわけです。

これから資産運用を始める方は、高い金利の投資商品ばかりを見るのではなく、高い金利の背景は何なのか、そして、どんなリスクがあり、それがどのくらいあるのかも考えながら、投資商品を選ぶようにしてください。

とはいえ、高金利のトルコは魅力的であることに変わりはありません。ぜひこの高金利をうまく運用で使いたいという方は、「FX」の「高金利通貨に関する記事」をご覧ください。

高金利で成功するコツが実はあります!

 それは、大暴落を待つことです。みんな弱気になり、まだまだ暴落すると、猫杓子も悲観的な見方をしたら、そこから先は買いを仕込むチャンスであるということです。