トルコリラ円 が2018年8月10日(金)に大暴落しました。
トルコリラは高金利通貨の代表格で、日本の投資家がせっせと買っている通貨です。7月にトルコ中央銀行が金融政策決定会合で1週間物レポ金利(政策金利)を据え置いたことや、米国との関係悪化でトルコリラ円は急落。

前日9日(木)の高値21円割れ水準から、翌日10日には15.75円付近までほぼナイアガラの滝状態でした。2日間で20%以上も下落したわけです。これをドル円に換算すると、110円から80円台に急落するのと同じです。
トルコリラ円 はトゲのあるキャバ嬢!?
こんな超危険は通貨トルコリラ円になぜ多くの投資家が魅了されるのでしょうか!?
30代から50代の男性で、一度や二度、キャバ嬢に熱を上げ、踊らされた経験を持つオジさんは多いと思います。私もその一人です。笑
足繁く通えば、いつかはおいしい思いができると信じて、もうそろそろか、もうそろそろかと、タイプのキャバ嬢を指名することに、心を踊らせた経験はありませんか?
トルコリラ円も全く同じです。
美しいものにはトゲがあるのは分かっているのですが、大きな見返りを期待して、せっせと買いポジションを仕込んでしまうのが今のトルコリラ円です。トルコリラ円でしたというべきでしょうか。
トルコリラ円のロングを仕込めば、1万通貨あたり80円~110円のスワップ金利がもらえますから、下がっても、そのうち底入れするだろうと、ドンドン指名買いを続けてきたわけです。
政策金利が17.75%ですからね。日本の0.1%と比べたら桁が違い過ぎます。

2018年8月2日現在の1万トルコリラ円買いポジションのスワップポイント、最低取引単位と引き出しOKとNG
<みんなのFX>
110円
1千通貨/スワップ引出OK
<GMOクリック証券>
104円
1万通貨/スワップ引出OK
<SBIFXトレード>
92 円
1通貨/スワップ引出OK
<ヒロセ通商>
80 円
1千通貨/スワップ引出NG
<FXプライムbyGMO>
80 円
1千通貨/スワップ引出NG
<セントラル短資FX>
80 円
1千通貨/スワップ引出OK
しかし、8月中旬、今のトルコリラ円は底打ち感が全くありません。むしろ下がり続けています。
トルコリラ円の底打ちはいつ?
トルコリラ円の2015年の騰落率はマイナス19.76%、2016年はマイナス18.64%、2017年はマイナス11.34%でした。
年々下がり続けていますので、もうそろそろ反発するだろうと、ロングを仕込む投資家が後を絶ちません。外為どっとコムの8月6日ポジション状況を見る限り、トルコリラ円の90%以上がロングポジションでした。8月14日現在、その6割以上のロングポジションが泡のように消えました。
8月14日現在、トルコリラ円は市場最安値を更新し続けているため、底打ち感は現在全くありません。
でも、なぜトルコリラ円は下がり続けるのか?
答えはトルコの信用力にあります。
トルコの格付けは驚くほど低い?
国の信用力は相撲の番付と同じように、格付けによって表されると聞いたことがありませんか?世界には3大格付け会社があります。それらは、スタンダードアンドプアーズ、ムーディーズ、フィッチです。
トルコの格付けはもともと非常に低く、エルドラン政権の継続や米国との関係悪化がトルコ暴落の引き金になりました。
世界3大格付け会社、スタンダードアンドプアーズ、ムーディーズ、フィッチのトルコ格付けは、
スタンダードアンドプアーズ(S&P)「BB-」
BB+以下は投資不適格債
ムーディーズ「Ba2」
Ba1以下は投資不適格債
フィッチ「BB」
BB+以下は投資不適格債
投資不適格債はいわゆるジャンク債です。
各社格付け表
順位 | スタンダードアンドプアーズ | ムーディーズ | フィッチ |
1 | AAA | Aaa | AAA |
2 | AA+ | Aa1 | AA+ |
3 | AA | Aa2 | AA |
4 | AA- | Aa3 | AA- |
5 | A+ | A1 | A+ |
6 | A | A2 | A |
7 | A- | A3 | A- |
8 | BBB+ | Baa1 | BBB+ |
9 | BBB | Baa2 | BBB |
10 | BBB- | Baa3 | BBB- |
11 | BB+ | Ba1 | BB+ |
12 | BB | Ba2 | BB |
13 | BB- | Ba3 | BB- |
14 | B+ | B1 | B+ |
15 | B | B2 | B |
16 | B- | B3 | B- |
17 | CCC+ | Caa1 | CCC+ |
18 | CCC | Caa2 | CCC |
19 | CCC- | Caa3 | CCC- |
20 | CC | Ca | CC |
21 | C | C | C |
22 | D | DDD | |
23 | DD | ||
24 | D |
アメリカのS&P格付けは「AA+」、日本は「A+」です。
「もしも芸能人がキャバ嬢だったら」とういう想定で、独断と偏見の格付けを付けるとこうなります。
AAA:池田エライザ こんな女の子が居たら、ナンバーワン間違いなし

AA+ 泉里香 「バイト探しはINDEED」を熱唄しちゃう

AA:石原さとみ

そして、トルコリラの格付けと同等クラスは、イモトアヤコぐらいでしょうか。

もしキャバクラにイモトアヤコさんが居たら、あなたは指名し、足繁く通いますか?
おそらくそれほど熱を上げることも無いと思います。
もしトルコリラ円を買うとしたら・・・
トルコリラ円の金利がどうしても諦められないという方も中にはおられると思います。もしトルコリラ円を買うとしたら、現状、以下2つの方法しかありません。
1.こんなレートは付かないだろうと思われる水準に指値を入れて待つ。例えば、12円、10円とか。
2.積み立て投資で3、5円毎に無理なく買い増していく。
特に初心者はコツコツ積み立てて、トルコリラ円の上昇を長期的に3、5、10年という期間で気長に待つという方法しかありません。
1と2のトレードスタンスでトルコリラ円をこれから始める場合、リスク管理という面でどのくらいの資金を使うといいの?維持率はどのくらいがいいの?と新たな疑問が出てくると思います。
トルコリラ円を取引する際のリスク管理、維持率は?
特に初心者は維持率1,250%以上を保持するような取引を行いましょう。このリスク管理でもまだ甘いかもしれません。
8月14日現在、トルコリラ円は16円台で推移しており、1万トルコリラ円あたり、6,400円(16円×10,000×0.04)が必要保証金となります。
10万トルコリラ円で64,000円
50万トルコリラ円で320,000円
100万トルコリラ円640,000円
維持率計算方法は、
時価評価額÷使用保証金となります。時価評価額=口座残高±評価損益です。
16円のとき、もし100万トルコリラ円を買ったとしたら、保証金が640,000円となりますので、このときの維持率を1,250%にする場合は、8,000,000円をFX会社に入金することになります。
仮にトルコリラ円の下落が止まらず、10円になったとしても、維持率は300%を保持できます。
ざっくりいうと、使用する保証金の10分の1を使うと、維持率が1,000%になります。以下表でご確認ください。
100万トルコリラ円をロングにする際の維持率推移表

使うお金の10倍以上もFX会社に入金できないと思われる方は、トルコリラ円の取引はお勧めできません。信用力が低い通貨に投資する場合は、これぐらい余裕を持って対応しないと、やってはいけないということです。
しかし、このぐらいの余裕をもってトレードすれば、以下のようなスワップ金利を手にすることが可能です。スワップ金利を引き出しできるSBIFXであれば、1日、10万通貨あたり、920円のスワップが付与されます。
100日で920円×100日=9.2万円
365日で920円×365日=33.58万円
730日で920円×730日=67.16万円
1095円で920円×1095日=100万円超え
10万トルコリラ円をロングする場合、64,000円が必要で、この10倍をSBIFXに入金するとしたら、640,000円となります。そして、1年で335,800円のスワップ金利(金利変動なしと仮定)が付与されると、約5%の運用になるわけです。
現在の預貯金の金利が0.1%ですので、金利換算すると、その50倍程度の運用が可能となる計算です。
人の行く裏に道あり花の山
人の行く裏に道あり花の山は、有名な相場格言です。投資家は、とかく群集心理で動きがちだ。いわゆる付和雷同である。が、それでは大きな成功は得られない。むしろ他人とは反対のことをやった方が、うまくいく場合が多いと説いています。
もしあなたが5年後、10年後の将来を見据えてリスクを取れる方であれば、この相場格言を忘れず、これからトルコリラ円を始めると有利です。
2015年12月、54円を記録したトルコリラ円が現在16円ぐらいで購入できるわけです。トルコリラ円が一桁になる覚悟で取引すれば、少し前からトルコリラ円を買った投資家より、断然有利だと思われます。
もっと石橋を叩いて渡るということであれば、維持率2,000%以上で考えてみると良いと思います。
まとめ
今から仕込むか、それとももう少し待って取引するかはみなさん次第ですが、もしトルコリラを買うとしたら、どちらの場合も維持率を必ず1,250%以上にしましょう。
これをもし守れないという方は、トルコリラ円の購入を見送ることをお勧めします。
FXは現物取引ではありませんので、リスク管理に失敗すると、大きな損失に繋がります。裏を返せば、リスク管理さえ徹底していれば、とても便利で滅茶苦茶効率の良い資産運用になるわけです。

ただ、デノミを行う可能性も否定はできませんが。
デノミとはデノミネーションの略です。通貨の呼称単位の切り下げまたは変更のことをいいます。英語表記の「denomination」は、通貨単位の名称そのものを意味します。
急激なインフレによって通貨単位が大きくなりすぎ、計算、記帳、支払いなどが煩雑になるのを避けるため、100分の1や1000分の1に通貨を切り下げるのですが、過去トルコはデノミを行っています。だからまた行うとことも否定はできません。
こうなると、自体は最悪です。
そんな危険な通貨がトルコリラです。ご承知おきください。