FXでのリスク管理とは?|初心者が知っておいた方がいい基礎知識3

リスク管理とは心の管理です

負けパターンが出始めたときに、トレードと距離を置く

自身の心のアップダウンを客観視し、負けパターンを早く知ることがとても大切です。

リスク管理とは一般的に損失を抑えるための、資金、レバレッジ、ポジション管理などと解説するサイトが多いですが、実際にトレードすると、頭で理解できても、実行の難しさに気づきます。言葉で言うほど簡単ではありません。

なぜなら、それらを決めるのはすべて自分の心だからです。

リスクや回避する方法、リスク管理に関する知識があっても、それらをなかなか実行できないものです。

だって人間だもの!

だから、自分の負けパターンに陥る心の状態を知り、もしそうなったら、FXやトレードから距離を置くことこそが、誰でもできるリスク管理なんです。

損をしたくない、負けた分を取り戻すみたいな感情に引きずられてトレードを繰り返すと、ロクなことにならないから一旦撤退する。これがめちゃくちゃ大事です!

距離を置くといっても、含み損が発生するポジションをそのまま放置するということではありません。すべて決済、損切りし、冷静になるまでトレードと距離を置くことです。

アンガーコントロールで、衝動的な怒りを抑えるために「6秒」をやり過ごすという考え方があります。FXでいうリスク管理はこれと全く同じです。

どのくらいの期間、距離を置くかは自分次第です。1時間かもしれないし、1週間かもしれないし、人それぞれです。

これを読んでいるあなたには、自分に合った適切な入金額やポジション量に調整したり投資先や通貨ペアを分散してリスク管理する高度なスキルは必要ありません。

金融工学のプロでもないので、そんなことは一般投資家にはハードルが高過ぎます。

リスク管理=心を落ち着かせる、心の管理なんです。

一般的なリスク管理については、場数を踏めば、みんなある程度はできるようになります。焦らず経験を積み上げて行きましょう!

大切なので最後にもう一度。リスク管理=心を落ち着かせる、心の管理なんです。

FXリスク管理で見落としがちな点

レバレッジを抑えると、リスク管理ができるという考え方は決して正しくありません。

リスク管理=心の管理と解説しましたが、リスク管理はやっぱりレバレッジ管理じゃないの!?と考える方も多くおられると思います。

FXでは投下した資金をすべて失うリスクがあるため、初心者は預け入れ資金の10分の1だけを運用に回すことがお勧めですと言いがちですが、実はこの行為が資金をすべて失うことに繋がることもあるんです。

レバレッジを低く抑えると、むしろリスクを長く抱えることになり、大きな損失を被ることもあります。

例えば、100万円をFX口座へ入金し、10万円しか証拠金として使わず、残りの90万円をそのままにする場合、レバレッジは2倍程度となります。

計算方法は、レバレッジ=取引通貨数量×成立値段÷現金残高です。

ドル円2万ドル×105円÷90万円=レバレッジ2.33倍となりますが、ドル円が105円から60円(45円下落×2万ドル=90万円損失)へ下落すると、含み損は90万円となります。

歴史上、1ドル60円になったことがないため、ドル円を取引する場合、レバレッジ2倍程度に抑えておけば安心ではありますが、もし60円になって決済した場合は90万円を失うことになるわけです。

だから、レバレッジを低く抑えてもリスクを管理できるということではないわけです。

下記チャートはトルコリラ円週足です。

2017年9月に32円台だったトルコリラ円は、2020年9月には13円台まで下落しています。3年間で60%の下落です。ドル円に当てはめると、1ドル105円から40円程度に軟化するのと同じです。

ドル買いポジションを保有後、ドル円がトルコリラ円のようになってしまったら、途中あなたはどのようは判断を下しますか?

1.平均値を下げるため買い増す

2.何もしないで放置する

3.専門家の見解や展望を聞いて判断する

4.両建てする

5. 損切りしてやり直す