つみたてNISAのデメリットとは?

つみたてNISAのデメリットとは? 当ページでは、初心者にはちょっと分かりづらいデメリットを中心に解説します。メリットばかりに目を奪われがちですので、デメリットもしっかり理解しておきましょう。

つみたてNISAのデメリットとは?

■つみたてNISAとNISAの併用不可/つみたてNISA⇄NISAの切り替えは1年に1回のみ

■NISA口座からつみたてNISA口座への投資商品の引越しは不可

■損している投資商品と利益が上がっている投資商品の損益を合算することができない(損益通算不可)

■一度非課税枠を一部でも使ったら、枠はそれで終わり(非課税枠再利用不可)

■使わなかった枠を翌年に持ち越すことができない(非課税枠繰り越し不可)

つみたてNISAとNISAの併用不可

つみたてNISAとNSIAは併用不可ですが、切り替えはできます。

両方が同時にできれば、税制優遇が合計1,400万円(つみたてNISA最大800万円、NISA最大600万円)にもなるため、非常に嬉しいのですが、残念ながら併用が出来ず、どちらかを選ぶ必要があります。

もちろん、NISA口座をつみたてNISAへ、つみたてNISAをNISA口座へ切り替えることはできます。銀行や証券会社に変更届を出せば簡単に済みます。ただし切り替えは1年に1回だけです。

投資商品の引越しも不可

NISA口座で運用している投資信託を、つみたてNISA口座へ引越しすることはできません。

下記SBI証券のQ&Aから引用

Q:「NISA」から「つみたてNISA」に切り替えた場合、保有しているNISA預りの投資信託はどうなりますか?

A:「つみたてNISA」に切り替えたとしても、すでにNISA預りとして保有している投資信託は、お買付した年から5年間はNISA預りとして保有できます。(NISA預りの保有証券をつみたてNISA預りに変更することはできません。)

ただし、通常のNISA預りでお買付いただいた年から非課税期間(5年)を経過した際、つみたてNISA口座が設定されていると、非課税期間の延長(ロールオーバー)ができなくなりますので、ご注意ください。

ここはちょっと分かりづらいので、もう少し詳しく解説します。

NISAのロールオーバーとは

ロールオーバーとは、新しいNISAの投資枠に投資商品をそのまま移し替えることができます。そうすれば、さらに5年間非課税で保有することができます。

一般NISAの制度がスタートした2014年に購入した投資商品は、2018年で5年間の非課税期間が終了します。非課税期間が終了しても、そのまま商品を保有し続けたい場合、以下どちらかを選ぶ必要があります。

1、2019年にはその時の時価で課税口座へ移す

2、ロールオーバーを選択する

但し、ロールオーダーを選択すると、その年のつみたてNISAは利用できなくなります。

<NISAのロールオーバーイメージ>

損益通算不可

投資初心者は損益通算?!と思われるワードだと思いますが、節税という面では一般的な言葉です。

複数の証券口座を使って投資している場合や複数の金融商品で運用しているケースでは、それぞれの証券口座の1月~12月の利益と損失を合算して、税負担を軽減することが可能です。これを「損益通算」と言います。

例えば、A証券口座で50万円の利益、B証券口座で20万円の損失だった場合、トータル損益はプラス30万円となり、30万円が課税対象となるわけです。

しかし、つみたてNISA口座では損益通算ができません。例えば、A証券口座で50万円の利益、つみたてNISA口座で10万円の損失の場合、つみたてNISA口座は損益通算できないため、50万円の利益がそのまま課税対象になります。

つみたてNISAは最長20年という長期投資が前提となっていますので、別の投資と分けて考えれば、特に問題はありません。

非課税枠再利用も不可

つみたてNISAは、新規の購入枠が年間最大40万円ですが、年末時点の購入資産額が40万円というわけではありません。

例えば、2018年中に投資金額が20万円となり、年の途中で売却したとします。そうすると、また20万円の非課税対象の枠が復活するわけではありません。この場合、残りの非課税枠は40万円とはならず、20万円のままとなります。

買い物で割引券を使ったら、同じ割引券で買い物しても、割引は一回限りという仕組みと同じです。

非課税投資枠の繰り越しも不可

つみたてNISAは、使わなかった非課税枠を翌年に持ち越すことはできません。携帯電話のパケットデータ枠で、利用しなかった分を翌月に繰り越せるからお得みたいな広告がありますよね。考え方はこれと同じです。

つみたてNISAの場合は利用しなかった非課税枠を翌月に繰り越せないからデメリットになるわけです。

例えば、2018年の投資金額が30万円(毎年枠は40万円)で、残り10万円の非課税枠が使わなかった場合、翌年の2019年にその10万円を持ち越して、50万円分の非課税枠を得ることはできません。

つみたてNISAを始める初年度はこのようなケースが起こり得ます。しかし、毎月100円からつみたてができて、毎年40万円の非課税枠があるということは、一括で投資商品を購入することもできるのでは?と思われる方もおられると思います。

さすがです。そうなんです。つみたてNISAは、投資期間が最長20年となっていますが、すでに2018年になっていますので、厳密には最長20年にはなりません。

しかし、2018年分をまとめて40万円分一括で投資商品を購入してしまえば、最長20年の非課税枠をフル活用できます。

ただし、つみたてNISAの隠れた利点である、ドルコスト平均法の効果が薄れてしまいます。とはいえ、20分の1(20年間の1年)の話なので、気にする必要は無いとも言えます。

金融庁のサイトも合わせてご覧いただくと良いと思います。