孫子兵法 から学ぶ【資産運用のやり方始め方のコツ10選】

孫子兵法 は、孫武によって作られた孫子という書物に記されている、戦いに勝つため、負けないための考え方や戦い方のことです。

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戦国武将で人気上位の武田信玄の「風林火山」は、「孫氏兵法」の中の教えです。また、ソフトバンクグループの孫正義さんも孫子の大ファンであることは有名な話です。

資産運用を始める初心者、すでに始めている方にとっても、大いに役立つ内容が詰まっていますので、一部を厳選してご紹介します。

将来のため、老後のための資産運用を始める際の心構えとして、ぜひ「孫氏の兵法」を覚えておいてください。きっと役立つはずです。

  • 資産運用で成功するために、何をどう考え、何をどう準備して、何をこれから始めるかをイメージしてみましょう。
  • 自身の技量と性格などを見極め、投資制度や運用商品を把握し、状況を分析してみましょう。
  • 現況を広くを捉え、運用がマイナスになった時などの対応法を予め知っておきましょう。

孫子兵法 を参考|資産運用を開始するための準備について

資産運用を開始するための準備について

1 成功するには失敗しないための準備を整える

昔の善く戦う者は、先ず勝つべからざるを為して、以(もっ)て敵の勝つべきを待つ。勝つべからざるは己にあり、勝つべきは敵にあり

運用で成功するためには、失敗しないための準備が大切です。

「善く戦う者」とは、戦いが上手な人で相手をすぐ攻め込むのではなく、負けないための準備をしっかり整えて、勝つチャンスをじっくり待つ人のことを言います。

資産運用も同じです。勝つチャンスを待ったり、現在の投資環境を把握し、勝ちやすい投資商品に資産を振り分けることが大切です。

2 相手も自分も知ることが成功する可能性を高める

彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆(あや)うし

資産運用で大切なことは、運用する投資商品を知ることはもちろんのこと、自分がその投資制度や投資商品に合っているかどうかを知ることも非常に大切です。

資産運用でコツコツ投資に向いている性格の方もいれば、一攫千金が性に合っているという人もいます。

また、資産運用について考える時間が沢山確保できる人もいれば、そうでない方もいます。投資に関する基礎知識がある人とそうでない人もいます。

これから本格的な投資を始める方は、投資制度や投資商品のことも、また自分のことも、十分知るようにしましょう。

3 資産運用にはプラスもマイナスもつきもの

智者(ちしゃ)の慮(りょ)は必ず利害に雑(まじ)う

資産運用にプラスもマイナスも付き物です。なぜ運用している商品がプラスなのか、マイナスなのかを考えるようにしましょう。

そう考えることにより、お金に関する世の中の流れに注視するようになりますので、今我慢時なのか、あるいは、異なる商品に切り替えたほうがいいのかという判断を、比較的簡単にできるようになります。

4 成功するには情報が大切

明主賢将(めいしゅけんしょう)の動きて人に勝ち、成功の衆に出づる所以(ゆえん)の者は先知(せんち)なり

資産運用で成功する人は情報を大切にします。

運用する商品や投資制度にどんな特長があるのか、誰を対象とした商品なのかなど、より多くの情報を的確に把握すれば、具体的な運用プランを立てることができます。

そして、その情報をしっかり活用すれば、運用を成功へ導きやすくなります。

現在の情報化社会において、様々な情報が溢れ返っています。だからこそ、確かな情報を見極める目と、その情報を使いこなす、知識と考え方がとても大事になるわけです。

5 成功するためには早めに行動することが大切

先に戦地におりて敵を待つ者はいっし、後れて戦地におりて戦いにおもむく者は労す

運用で成功するためには早めの行動が大切です。

運用する商品によっては早めにスタートしたほうが良いものが沢山あります。例えば、つみたてNISAやiDeCoはできるだけ早めに始めたほうがメリットは大きいです。

また、IPO株やFXも、場合によっては早めに行動したほうが良いときもあります。

早めに始めることによって、成功する可能性が一段も二段も高まることもありますので、今は大事な局面だなと思ったときこそ、早めの行動をお勧めします。

資産運用で苦しい局面が訪れたときの対処法

資産運用でマイナスが続いたときの対処法

6 ピンチをチャンスに変える

迂(う)を以(もっ)て直(ちょく)と為(な)し、患(かん)を以て利と為す

運用のピンチをチャンスに変える方法は、敢えて人が選ばない運用方法を選んで、早く目的を達成する方法を考えてみましょう。

相場の格言に、「人の行く裏に道あり花の山」というものがあります。投資家は、群集心理で動きがちです。

しかし、それではなかなか大きな成功を得られないのも確かです。むしろ他人とは反対のことをやった方が、うまくいく場合が多いと言う意味の格言です。

例えば、みんなが超ネガティブになっている局面こそ買い場だったりするわけです。投資家心理、群集心理とは何かを常に考える癖をつけてみましょう。

以下はウィキペディアからの引用です。

”ある選択が多数に受け入れられている、流行しているという情報が流れることで、その選択への支持が一層強くなることを指す。「バンドワゴン」とは行列の先頭の楽隊車のことであり、「バンドワゴンに乗る」とは、時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗る[2]、といった意味である”

そして下記は、「デイトレード~マーケットで勝ち続けるための発想術~」第2章「バンドワゴン効果~マーケットの仕組みを垣間見る~」からの引用です。

”ある1台のバンドワゴンが、楽しげな音楽を鳴らしながら通りを行きます。バンドワゴンの上には、音楽にあわせて楽しそうに踊る人たちがいます。彼らが通りにいる人たちに呼びかけます。

「おーい、後ろの列に加われよ。一緒に音楽に合わせて踊ろうぜ!」

やがて通りにいた人たちは、1人また1人と、バンドワゴンの列に加わっていきます。最初にバンドワゴンで踊っていた人たちは、さらに周囲に呼びかけます。

「みんな踊っているのになんで君たちは踊らないんだ?早く加わらないと、音楽が終わっちゃうよ」

それを聞いた人たちは、自分だけ祭りに乗り遅れるわけにはいかないと、次々に列に加わります。人々が我先にとバンドワゴンの列に加わり始めたころ、最初にバンドワゴンの上で踊っていた人たちは、そっとバンドワゴンを降りて消えます。誰も気づきません。

やがて、列に加わり踊り狂う人たちで道はあふれかえり、バンドワゴンは身動きがとれなくなります。人々はますます興奮して踊り、中にはバンドワゴンの上に飛び乗る人もいます。完全に身動きが取れなくなったバンドワゴンは停車します。

すると突然、バンドワゴンがバックして後ろの人々をなぎ倒します。

そして、今度は前に突っ込んで人々を踏みつぶします。音楽は知らないうちに終わっていて、何が起こったのか理解できない人々は、茫然とバンドワゴンを見つめます。バンドワゴンは、さらに前後に突進し道を作ろうと人々をなぎ倒します。

7 変化を見逃さないことが大切

鳥の起つ者は伏(ふく)なり。獣のおどろく者は覆(ふう)なり

資産運用では、お金の流れの変化を見逃さないことが大切です。しかし、これはいきなりできるものではありません。だから、周りや環境の変化に敏感になるよう、心掛けましょう。

運用成績が悪化する前には、必ずと言っていいほどシグナル、前兆があります。

そのシグナルをできるだけ多く、そして早めにキャッチすることができれば、悪い状況になることも、危険な目に合うことも避けることができます。

お勧めは、証券会社などが提供してくれる無料の経済や株式などに関するレポートを読むことです。

日経新聞では遅いこともありますので、各証券会社等の専門家の見方や見解を、できるだけ注視しておきましょう。

8 トラブルには迅速な対応が大切

兵は拙速 ( せっそく ) なるを聞くも、未だ(いま)巧久なるを賭 ( み ) ざるなり

資産運用は、自分の思惑通りに行かないものです。困ったことを放っておくと、どんどん解決が困難になってしまうことが多々あります。

だから、形成を見極めるより、早めの対処を心がけましょう。トラブルには迅速な対応が大切です。

例えば、一攫千金を夢見て購入した投資商品が予想以上に成績が悪化し、そのことで頭が一杯で仕事や家事が手に付かない、何をしても心から楽しむことができなくなってしまうことも。

大変なこと、面倒なことこそ、できるだけ早く解決するように心がけましょう。

資産運用で悩んだときの対処法

資産運用で悩んだときの対処法

9 逃げることも大切

少なければ則(すなわ)ち能(よ)く之(これ)を逃れ、若(し)かざれば則ち能く之を避(さ)く

資産運用はいつも右肩上がりではありません。時には右肩下がりの局面が続くものです。これは続けても歩が悪いなと思えば、最悪な状態を回避するため、運用をストップしたり、方針を変更することも大切です。

ストップすることにより、心も体もすべてリセットし、再挑戦する準備が整うかもしれません。頑張り過ぎないことは資産運用でもとても大切なことです。

10 柔軟な対応も大切

兵に常勢なく、常形なし。能(よ)く敵に因(よ)りて変化して勝(しょう)を取る者、これを神(しん)と謂う

世界経済や世界の株式市場等は、常に変化するものだから、それに合わせて行動を変化させることが大切です。

達成したい目標のために計画を立て、それを遂行することは大切です。また状況に合わせて柔軟に対応することも大切です。この2つのバランスを保つことが資産運用で成功するためのコツです。

まとめ

資産運用を始めると、プラスもマイナスも付き物です。良い時が永遠と続くこともないし、止まない雨もありません。「孫子の兵法」の考え方を利用すれば、こらから長く続く、続ける資産運用に役立つことばかりです。

資産運用でマイナスが続くことによって、自分の知らなかった本性が見え隠れすることもあるものです。そんな困ったときは、孫子兵法を思い出し、このページに戻って来て、最初から読み直してみてください。きっと答えが見つかるはずです。